観光は21世紀で最も成長率の高い産業であり地域経済の原動力的要素を持し、社会経済の発展に必要不可欠であり地域活動の推進力となります。
観光の特徴は広範かつ多様な産業分野に影響を及ぼし、新たな域内経済の循環を生みだします。
2019年に起こった新型コロナウイルス感染症の約4年間にわたり観光産業を止めた社会は、経済の低迷だけはなく人の考え方も変えました。そして今日少しずつ生活は日常にもどり人は流れを作り、社会全体は回復に向かっています。
観光業の世界的な成長は、地域の芸術、文化、農業、建設業からテクノロジー、運輸、通信に至るまで、多くの関連分野に新たな経済と雇用と利益をもたらします。海外の途上国などでは主な外貨収入源を観光業に依存し、資本がなくてもアイデアで自らが事業を起こし生活を変える等、観光を政策で推進することにより成功をおさめている国もあります。
経済成長の創出に加え今後は「新しい文化を体験し、地元の人々と触れあいたい」という旅行ニーズはさらに多様化しこの分野での観光市場は増大することでしょう。その需要は、地域の文化的伝統を保護し新しい創造的な事業投資を促し、観光が波及市場を生み出します。同様に、誰もが見ぬ自然の光景や自然現象、野生動物や生物多様性を見たいという欲求は、地域社会が環境を保護し、保全しようとする強い動機を旅行者に提供し、地域住民は身近な地域を見つめなおすきっかけとなるでしょう。
そのような観光の特徴を地域の持続的な社会産業として位置づけするためには、地域のコミュニティや営みを続ける地域全体がその恩恵を第一に受けられるようにしなくてはなりません。経済的富の創出、社会的包括性の創出、環境保護の3つのバランスが政策上においても必要です。観光に携わる地域や、旅行関係者、旅行者も皆、それぞれの役割を果たして一丸となり行動する必要があります。
さらに地域を守り観光産業を管理をする、それには綿密かつ実効性のある計画が必要であり、その実行を管理する仕組みも必要です。訪れる旅行者は地域に何を望んでいるのか、地域社会が何を必要としているのか、旅行者のニーズを満たす旅行商品を造成するには、観光の専門スキルより大切なものがあります。それは地域自体が地域を深く見つめ理解し、地域に誇りを持ち、サービスや体験をマーケティングし商品化する現場力です。また、これらの活動を監視する行政のシステムや影響を評価できるデータ整備の仕組みも必要です。
グローバル観光戦略研究所は、地域と都市部の経済的格差を観光の発展により解消し、地域の発展と経済的自立を念頭に地域と一体となり事業展開を図る、経済成長、環境に負荷をかけない観光開発、環境の持続可能性な原動力として、地域に持続可能な観光地が創られるよう地域に向き合います。弊社は国連の持続可能な開発目標SDGSに沿った事業提案、地球、平和、パートナーシップの目標に沿った活動を行います。
2023年6月寄稿